週末の夜、ひとりでゆっくり映画を観る時間って、ちょっとしたご褒美ですよね。
仕事で削られたメンタル、週末に少し回復しておきましょう。
今回のテーマは、サバイバル映画。
それも、観終わったあとに「俺の悩みなんて小さいな」と思える一本です。
『レヴェナント:蘇えりし者』。
熊に襲われ、仲間に見捨てられた男が、極寒の荒野を這って生き延びる物語です。
しかもこれ、実話がベースなんです。
主人公を突き動かすのは、生きる執念と、燃えるような復讐心。
痛いし、寒いし、正直しんどい。
でも、だからこそ生きる力をもらえる。そんな映画です。
実話ベースの『レヴェナント』あらすじ(ネタバレなし)
舞台は1823年のアメリカ北西部。
毛皮を求めて奥地に入った猟師の一団に、ヒュー・グラスという男がいました。
演じるのは、レオナルド・ディカプリオ。
ある日グラスは、子連れの灰色熊(グリズリー)に襲われ、瀕死の重傷を負います。
動けない彼を、仲間たちは荒野に置き去りにします。
傷だらけの身体で、彼は生きて戻ると決めます。
ここで気になるのが、レヴェナントの実話の部分です。
ヒュー・グラスは実在した人物で、熊に襲われ、置き去りにされたと伝えられています。
そこから300km以上を這い進み、砦にたどり着いたとも言われています。
実話を元にしたサバイバル映画は数あれど、ここまで無茶な話はなかなかありません。
ちなみに、映画に出てくる息子とのドラマは創作です。
実話をベースに、「復讐する理由」を映画ならではの形で足した作品なんですね。
なぜ『レヴェナント』は最高のサバイバル映画と言われるのか
① 熊に襲われる映画の頂点。あの数分間は観る価値あり
熊に襲われる映画は他にもあります。
でも、この作品の熊のシーンは別格です。
カメラがほぼ切れ目なく、グラスに寄り添い続けます。
息づかいまで聞こえてきて、観ているこっちの肩に力が入ります。
「映画を観た」というより、「襲われた」に近い体験。
この数分間だけでも、観る価値は十分あります。
② 生き延びる理由が、復讐だから面白い
ただ生き延びるだけのサバイバル映画は、じつは少し単調になりがちです。
でも本作は、生きる目的がはっきりしています。
それが復讐。
復讐映画として観ても、これだけ重い一本はなかなかありません。
誰かに裏切られた悔しさ。
仕事でもたまに感じますよね。あの「絶対に忘れないぞ」という感情です。
その感情を燃料に、男は雪の中を進みます。
だからこそ、観ているこっちも最後まで目が離せません。
③ 極寒を体感できる、自然光だけの映像
『レヴェナント』の映像は、とにかく息をのむ美しさ。
人工の照明をほとんど使わず、自然光を中心に撮影されました。
撮影監督は、エマニュエル・ルベツキ。
この年のアカデミー賞で、撮影賞を受賞しています。
ディカプリオも、この作品で念願の主演男優賞を獲得。
監督のイニャリトゥも、監督賞に輝きました。
凍った川、吹きすさぶ雪、真っ白な吐息。
極寒を体感できる映画として、これ以上の作品を探すほうが難しいです。
観終わったあと、なぜか毛布にくるまりたくなります。
夜に観るなら、あったかい飲み物を用意しておきましょう。
ここからネタバレ:泥と血の中を、男はどう這い進んだのか
ここからは映画の重要な展開に触れます。
まだ観ていない人は、先に本編を観るのがおすすめです。
ネタバレを表示する
息子を目の前で殺される
動けないグラスの隣で、ジョン・フィッツジェラルド(トム・ハーディ)が事件を起こします。
フィッツジェラルドは、グラスの息子ホークを殺してしまいます。
グラスは、その一部始終を目撃しています。
でも、声を出すことも、立ち上がることもできません。
フィッツジェラルドは、若い隊員ブリジャーに「先住民が近くにいる」と嘘をつきます。
ふたりはグラスを浅い穴に放り込み、その場を去りました。
ここが、この映画の出発点です。
グラスの「生きる理由」が、はっきり決まる瞬間でもあります。
崖から馬ごと落ち、馬の死骸の中で眠る
グラスは、穴から這い出します。
まともに歩けない身体で、川の水を飲み、木の根や生の魚を口に入れます。
やがて先住民の集団に見つかり、追われます。
グラスは馬に乗ったまま、崖から飛び降りました。
馬は死んでしまいますが、グラスは生き延びます。
極寒の夜、彼は馬の腹を裂き、その中に潜り込んで眠ります。
ディカプリオは、この作品のために生の野牛のレバーを食べたと話題になりました。
普段はベジタリアンなのに、ですよ。役者魂がすごいです。
助けてくれたのは、雪の中で出会った旅人
瀕死のグラスを助けるのは、ヒクという先住民の男です。
雪の中で、グラスに舌を出して雪を食べさせ、寝床を作って傷を手当てします。
でも、そのヒクは、そのあと通りかかったフランス人の猟師たちに殺されます。
グラスは、そこで初めて自分から動きます。
猟師のひとりを倒して、馬を奪い、砦へ向かいました。
復讐だけじゃなく、「恩返し」の色もあるのが切ないところです。
最後の対決で、グラスが選んだこと
砦に戻ったグラスは、すでに姿を消したフィッツジェラルドを追います。
同行したヘンリー隊長は、追跡の途中で、フィッツジェラルドに撃たれて命を落とします。
そのあと、グラスとフィッツジェラルドの一騎打ちが始まります。
雪の中、血まみれで、お互いに殴り合う場面はとても長く感じます。
最後、グラスは川のそばで、フィッツジェラルドにとどめを刺しません。
彼を川の流れに任せます。
そのフィッツジェラルドを、探しに来ていた先住民たちが見つけます。
復讐は完成するのですが、グラスの手は最後に汚れませんでした。
ラストシーン、グラスはカメラのほうをじっと見つめます。
その表情は、勝ったのに、少しも嬉しそうではありません。
こんな人にハマる/向かない人
ハマる人は、次のような人です。
・「今日は何もかもうまくいかなかった」という夜を過ごした人
・『127時間』『オデッセイ』のような、極限状態の映画が好きな人
・復讐劇の洋画を、ずっしり味わいたい人
逆に、向かない人もいます。
上映時間は約156分と長めで、暴力描写もかなり痛いです。
食事中に観るのは、おすすめしません。
ゆっくり時間が取れる週末の夜に、ひとりで観るのがちょうどいいです。
このまま寝るより、1本観た方が明日からの仕事がラクになる。
今夜、その2時間半、使ってみてください。
※約156分で観終わります
まとめ
『レヴェナント』は、ただのサバイバル映画ではありません。
裏切りと怒りを抱えたまま、それでも前に進む人の映画です。
観終わったあとは、すごく疲れます。
でも、その疲れの奥に「まあ、明日もやるか」という力が残ります。
社会人的に言うと……、
・ダメージを受けたら、まず傷を止める。反撃は、そのあとでいい!
・ヒクのように、助けてくれる人がいたら素直に頼れ!
・最後の一撃は、自分の手でやらなくていい!
この3つ、ラストの川のシーンを思い出せばすぐに身につきます。(←本当かよ)
職場で裏切られた夜に観ても、いい映画です。
復讐心を燃やしたまま、最後にちょっと冷静になれるからです。
ちなみに、熊に襲われたら死んだふりが有効、という話があります。
この映画だと、死んだふりをしても普通に襲われ続けます。(←信じないでね)
馬の死骸に潜り込む根性はなくても、
寒い夜は、せめて布団に潜り込みましょう。
では、また!


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