週末に観る映画って、ただ面白ければいいわけじゃないんですよね。
仕事で疲れたあとなら、観終わったときに少し心が軽くなる作品がちょうどいい。
そんな日に観てほしいのが、実話をもとにした感動映画『グリーンブック』です。
1960年代のアメリカ南部を舞台に、
黒人ジャズピアニストと白人運転手が、コンサートツアーの旅に出ます。
人種差別という重いテーマを扱っていますが、
映画全体は意外なほどユーモラスで、2人の会話もかなり面白い。
最初はまったく噛み合わない2人が、旅を続けるうちに少しずつ変わっていく。
その過程をじっくり味わえる作品です。
▶Amazonプライムで『グリーンブック』の配信状況をチェック
『グリーンブック』あらすじ|正反対の2人が危険な旅へ
舞台は1962年のアメリカ。
主人公は、ニューヨークのナイトクラブで用心棒として働くトニー・リップです。
ある日、クラブの改装によって仕事を失ったトニーのもとへ、
黒人ピアニストのドクター・シャーリーから運転手の依頼が届きます。
シャーリーは南部でコンサートツアーを予定していました。
しかし当時の南部には、黒人に対する厳しい人種差別が残っています。
そこでトニーが頼りにするのが、黒人旅行者向けのガイドブック「グリーンブック」。
黒人が安全に利用できる宿泊施設や飲食店などを掲載した旅行ガイドです。
こうして、粗野で口の悪いトニーと、知的で気難しいシャーリーの旅が始まります。
2人は性格も育った環境も正反対。
当然のように、最初から意気投合するわけではありません。
ところが旅の途中、2人は何度も人種差別に直面することになります。
そこで起きる出来事が、トニーとシャーリーの関係を少しずつ変えていきます。
『グリーンブック』は、そんな2人の旅を描いた実話ベースのロードムービーです。
実際にトニー・リップはシャーリーの運転手としてツアーに同行していました。
『グリーンブック』が実話の感動映画として刺さる理由
① 「人は変わる」を説教せずに見せてくれる
『グリーンブック』で面白いのは、トニーが最初から差別意識を捨てた立派な人物ではないことです。
むしろ、かなり口が悪いし、シャーリーに対して失礼な言動もします。
そんなトニーが、旅を通して少しずつ変わっていく。
「差別はいけません」と正面から説教される映画ではありません。
2人が一緒に時間を過ごすことで、考え方が変化していきます。
トニーのこの感覚が非常に良い!
人間関係って、誰かから正論を言われたから変わるとは限りません。
実際に相手と話し、同じ時間を過ごして初めて見えてくるものがあります。
② 人種差別を描きながら、ずっと重苦しいわけではない
人種差別の映画と聞くと、かなり重い作品を想像するかもしれません。
『グリーンブック』にも、目を背けたくなるような差別の場面は登場します。
それでも映画全体は、意外なほど明るくて観やすい。
理由は、トニーとシャーリーの掛け合いにユーモアがあるからです。
何でも豪快に食べるトニーと、食事や振る舞いにこだわるシャーリー。
車の中では価値観の違いから、いちいち小さな衝突が起こります。
車内で繰り広げられる2人の言い合いが、重いテーマの中にちょうどいい息抜きを作っています。
人種差別をテーマにした作品を観たいけれど、
最初から最後まで重たい映画は少し疲れる。
そんな人にも入りやすい作品です。
『グリーンブック』の感動は、終盤で一気に効いてくる
ここからは、映画の重要な展開に触れます。
まだ観ていない人は、先に本編を観るのがおすすめです。
ネタバレを表示する
旅の途中、シャーリーは黒人であることを理由に、白人客向けのホテルやレストランで自由に扱われません。
ある高級レストランでは、シャーリーが演奏するにもかかわらず、食事をする場所としては認められないという状況に置かれます。
さらに別の場面では、シャーリーが暴力を受ける危険な状況に遭遇します。
トニーは運転手という仕事の範囲を超えて、シャーリーを守ろうとします。
一方のシャーリーも、トニーの生き方をただ否定するだけではありません。
トニーが妻のドロレスへ手紙を書く場面では、シャーリーが文章を考える手助けをします。
トニーは最初、気の利いた文章を書くのが苦手です。
そんなトニーにシャーリーが言葉を与え、トニーは妻へ手紙を書きます。
旅の終盤になると、2人の関係は最初とは明らかに変わっています。
そしてクリスマスイブ、ニューヨークへ戻ったトニーは、シャーリーと別れます。
ところが、家に帰ったトニーは家族と食卓を囲むものの、どこか落ち着きません。
その後、シャーリーがトニーの家を訪れます。
トニーはシャーリーを家の中へ招き入れ、家族と一緒に食卓を囲みます。
旅の中で何度も「違う世界」にいた2人が、最後には同じテーブルを囲む。
この変化が、映画全体を振り返ったときにかなり効いてきます。
結局、この映画で一番印象に残るのは「差別」じゃない
『グリーンブック』を観終わって一番残るのは、差別の場面そのものではありません。
クリスマスイブにトニーの家を訪れたシャーリーが、
家族と一緒に食卓を囲む場面です。
旅の途中では、シャーリーが入ることすら許されなかった場所がありました。
そんなシャーリーが最後には、トニーの家で家族と同じテーブルを囲んでいる。
この対比が、かなり強烈なんですよね。
「差別をなくしましょう」と言葉で説明するより、
一つの食卓を見せるほうが、2人の変化がずっと伝わってきます。
『グリーンブック』というタイトルの意味を考えても、
このラストはなかなか味わい深いものがあります。
『グリーンブック』はアカデミー賞でも評価された作品
『グリーンブック』は、第91回アカデミー賞で作品賞を受賞しています。
さらに、ドクター・シャーリーを演じたマハーシャラ・アリが助演男優賞を受賞。
脚本賞も受賞し、主要3部門でオスカーを獲得しました。
とはいえ、受賞歴を知らなくても映画は十分楽しめます。
むしろ観終わってから「これが作品賞を取った映画だったのか」と知るくらいでもいい。
特にマハーシャラ・アリ演じるシャーリーは、かなり印象に残ります。
上品で知的なのに、内側には強烈な孤独を抱えている。
その複雑さを、表情や声のトーンだけでも感じさせます。
一方のビゴ・モーテンセン演じるトニーは、とにかく人間臭い。
口は悪いし、食べるし、余計なことも言う。
でも、困った人を放っておけないところがある。
この2人のキャラクターの違いが、そのまま映画の面白さにつながっています。
『グリーンブック』はこんな日に観てほしい
仕事で人間関係にちょっと疲れた夜
職場では、どうしても苦手な人と関わらなければならない日があります。
「なんであの人は、あんな言い方しかできないんだよ……」
そんな愚痴を抱えたまま帰宅した夜に、ちょうどいい映画です。
トニーとシャーリーも、最初は相手のことを理解できません。
それでも一緒に過ごすうちに、相手の見え方が変わっていきます。
実話をもとにした、温かい映画を観たい休日
実話ベースの映画には、フィクションとは違う重みがあります。
『グリーンブック』の場合、実際にトニー・リップとドクター・シャーリーは1960年代に旅をしています。
2人の旅や交流をもとに、トニーの息子ニック・バレロンガらが映画化しました。
「こんなことが本当にあったのか」と思いながら観ると、
2人が交わす言葉や、最後に迎える時間にも違った重みが出てきます。
重すぎる社会派映画は避けたい日
人種差別を扱った作品ですが、ずっと暗いトーンではありません。
トニーの豪快な性格や、2人の言い合いには笑える場面も多くあります。
社会的なテーマを考えさせられながら、ロードムービーとしても楽しめる。
このバランスが『グリーンブック』の大きな特徴です。
『グリーンブック』の作品情報
- 公開:2018年(日本公開:2019年3月1日)
- 監督:ピーター・ファレリー
- 出演:ビゴ・モーテンセン、マハーシャラ・アリ、リンダ・カーデリーニほか
- 上映時間:130分
- ジャンル:ヒューマンドラマ/ロードムービー/実話
作品情報は映画.comの掲載情報をもとにしています。
『グリーンブック』配信で観るなら、週末の夜にちょうどいい
『グリーンブック』は約130分。
仕事終わりに観るには少し長く感じるかもしれません。
でも、週末にゆっくり観る映画としてはちょうどいい長さです。
まずは下のボタンから、Amazonプライムで現在の配信状況を確認してみてください。
※配信状況は変更される場合があります
まとめ|『グリーンブック』は、人間関係に疲れた日に観たい実話映画
『グリーンブック』は、人種差別という重いテーマを扱いながら、
最後には人と人との関係について温かい気持ちになれる映画です。
特に印象的なのが、トニーとシャーリーが最後には同じ食卓を囲む場面。
そこに至るまで、2人は何度も衝突しています。
それでも一緒に旅をしたからこそ、最初には見えなかった相手の姿が見えてきました。
仕事でも同じです。
苦手な相手を無理に好きになる必要はありません。
ただ、「自分が知らない事情を抱えているかもしれない」と考えるだけで、少し距離の取り方が変わります。
『グリーンブック』から持ち帰れるのは、そんな「相手を知る前に決めつけない」という感覚です。
毎日同じ人たちと顔を合わせ、仕事に追われていると、
つい相手を「面倒な人」「話が通じない人」と分類したくなる。
そんなときは、トニーとシャーリーの旅を思い出してみる。
もしかしたら、まだ知らない一面があるかもしれません。
もちろん、映画を観たからといって人間関係が全部うまくいくわけではありません。
でも、明日から少しだけ人を見る目が変わる。
それくらいの変化なら、映画からもらってもいいんじゃないでしょうか。
実話の感動映画を観たい。
人種差別という重いテーマにも触れてみたい。
でも、最後は温かい気持ちになりたい。
そんな週末なら、『グリーンブック』はかなり相性がいい一本です。
仕事に疲れた週末の夜、ちょっとだけ人間らしい気持ちを取り戻したい。
そんなときに、ぜひ観てみてください。
では、また!


0 件のコメント:
コメントを投稿