週末の夜、重すぎない映画で心をほぐしたい。
でも、ちゃんと泣いてスッキリもしたい。そんな欲張りな夜、ありますよね。
戦争を描いたアニメ映画を1本だけ選ぶなら、『この世界の片隅に』です。
戦争を描いているのに、驚くほど観やすい。
笑って、ほっこりして、気づいたら泣いている。
観終わったあとに残るのは絶望じゃなく、「明日も飯を作って生きるか」という静かな力です。
戦争を描いたアニメで泣ける一本として、真っ先に名前が挙がるのも納得。
仕事で削られた心に、じんわり効きます。
映画『この世界の片隅に』あらすじ(ネタバレなし)
主人公は、絵を描くのが大好きな女性・すず。
昭和19年、18歳の彼女は広島から、軍港の町・呉へ嫁ぎます。
相手は、ほぼ初対面の青年・周作。
ぼんやり者のすずの、慣れない新生活が始まります。
家には、口の厳しい義姉・径子と、娘の晴美もいます。
すずは家事に四苦八苦しながら、少しずつ家族になっていきます。
やがて食べ物は減り、空襲警報が日常に混ざりはじめます。
それでもすずは、野草を摘み、工夫して料理を作り、笑って暮らします。
ただし、映画の本当のすごさは制作の裏側にあります。
片渕須直監督は、昭和の呉と広島を徹底的に調べ上げました。
当時の街並み、天気、空襲の様子まで、資料や証言をもとに再現。
制作資金はクラウドファンディングでも集まり、多くの人が完成を後押ししました。
すずの声を演じたのは、のんさん。
のんさんの映画の中でも、代表作と呼ばれる一本です。
戦争映画が苦手でも『この世界の片隅に』が見やすい3つの理由
戦争映画は重そう。観たら疲れそう。
そう感じる気持ちは、よく分かります。
でも『この世界の片隅に』は、戦争映画の中でもかなり観やすい部類です。
理由は3つあります。
① 主役は兵士じゃなく、台所に立つ人
激しい戦闘シーンは、物語の中心にありません。
中心にあるのは、洗濯、料理、買い物、絵を描く時間です。
配給が減れば、野草を摘んで、あるもので夕飯を作る。
画面に流れているのは、私たちの毎日と地続きの暮らしです。
だから、肩に力を入れずに観られる。
大人向けのアニメ映画として、ちょうどいい温度感です。
② のんの声が、肩の力を抜いてくれる
ぼんやりしていて、ちょっと天然で、広島弁。
のんさんの声は、すずそのものです。
演技がうまい、というより、すずが本当にそこで息をしている感じ。
声を聞いているだけで、疲れた頭がほぐれていきます。
③ 水彩画みたいな絵と、クスッと笑える間
絵柄はやわらかく、色づかいもやさしい。
日常パートは、思いのほかコミカルです。
すずのうっかりや、周作とのぎこちない距離感に、電車の中でもニヤッとしてしまうかも。
笑いが多いほど、あとで効いてきます。
戦争映画で感動できるのは、「普通の毎日」を好きになるから
戦争を描いたアニメ映画は他にもあるけど、涙の質がちがいます。
泣かせにくる映画じゃないんです。
笑える日常を、丁寧に積み上げる。
好きになった毎日が壊れていくから、あとから胸にくる。
公開から時間が経っても、ネットでは考察が盛り上がり続けています。
語りたくなる場面が、あちこちに仕込まれているからです。
ここからは映画の重要な展開に触れます。
まだ観ていない人は、先に本編を観るのがおすすめです。
ネタバレを表示する
① 昭和20年、すずが右手を失う日
すずは姪の晴美と手をつないで、道を歩いていました。
つないでいたのは、すずの右手です。
そこへ、道ばたの時限爆弾が爆発します。
晴美は亡くなり、すずは右手を失います。
娘を奪われた径子は、悲しみのあまりすずを責めます。
すずも自分を責め、絵を描く手まで失った現実に立ちすくみます。
② 玉音放送のあと、畑で叫ぶすず
玉音放送を聞いたすずは、外の畑へ飛び出し、うずくまって泣き叫びます。
「最後まで戦うはずじゃなかったのか」という怒りが、一気に噴き出します。
同時に、すずは気づきます。
毎日食べてきた米や豆も、海の向こうの誰かから奪ったものだったと。
③ 焼け野原の広島で、少女がついてくる
戦後、すずは周作と広島の焼け跡を歩きます。
すると、戦災孤児の少女が、すずの右手のない側にすり寄ってきます。
すずと周作は、少女を連れて呉へ帰ります。
少女は、食卓を囲む新しい家族のひとりになります。
考察:右手がつないだもの
すずの右手は、絵を描く手であり、晴美とつないでいた手でもありました。
少女の母も右手を失った姿で描かれ、すずに母を重ねたのでは、と読み解く人が多いラストです。
悲劇のあとに残るのは、あたたかい食卓と新しい家族。
涙の理由は、悲しみだけじゃありません。
こんな夜の人に、刺さります
・仕事で心がすり減って、何も考えたくない人
頑張れと言わない映画なので、気持ちがラクになります。
・『火垂るの墓』が重すぎて、戦争映画から遠ざかった人
同じ戦争を描いても、涙のあとの手触りがまるで違います。
・戦争映画は初めてという人
入口として、これ以上やさしい一本はなかなかありません。
『この世界の片隅に』の配信は?30日間無料で観る方法
Amazonプライムビデオなら、スマホで通勤中にも観られます。
配信状況は時期で変わるので、下のリンクで最新を確認してください。
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今夜の1本のために、試してみる価値は十分あります。
なんとなくスマホを眺めて寝るより、1本観たほうが明日の気持ちがラクになる。
今夜、約2時間だけ使ってみてください。
※約129分で観終わります
まとめ
『この世界の片隅に』は、戦争を描いたアニメ映画の中でも、ひときわ観やすい一本ですが、
この映画を初めて観た時、かなり衝撃を受けました。
戦車や爆弾、鉄砲などを用いて人と人が殺し合ってしまう残酷さはあまり描かれていなくて、 至って平凡で幸せな日常が戦争によって、少しづつ、じわじわと崩れていき、奪われていく。 『日常なんて無いんだよ』みたいな、そんなことを言われているかのような、 また違った目線での戦争の怖さが描かれています。
すずの日常を返せー!と言いたくなるぐらい、戦争は良くないと改めて感じさせる映画です。 本当に内容を少し思い出すだけでウルっときてしまう。(←おっさんか!)
しんどい1週間を終えた金曜の夜に、ぜひ観てほしい。
心がすり減った日ほど、すずから元気をもらいましょう。
観終わるころ、ティッシュが部屋の片隅に山になっていても、責任は持てません。(笑)
では、また!


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