仕事で疲れた週末の夜って、あまり難しいことは考えたくないですよね。
でも、ただ何も考えずに観るだけの映画も少し物足りない。
そんなときに意外とハマるのが、『シン・ウルトラマン』です。
ウルトラマンと聞くと、怪獣と巨大ヒーローが戦う映画を想像するかもしれません。
もちろん、迫力のある戦闘シーンもあります。
ただ、この映画で面白いのは、それだけではありません……。
子どもの頃にウルトラマンを観ていた人はもちろん、
「ウルトラマンは詳しくないけど、ちょっと変わったSF映画を観たい」という人にも楽しめる一本です。
『シン・ウルトラマン』のあらすじ|ウルトラマンを知らなくても楽しめる
舞台は現代の日本。
巨大不明生物「禍威獣(カイジュウ)」が次々と出現し、政府は専従組織「禍特対(カトクタイ)」を設立して対応にあたっています。
その前に突然現れたのが、銀色の巨大な存在。
人類は彼を「ウルトラマン」と呼ぶようになります。
禍特対のメンバーである神永新二(斎藤工)は、ウルトラマンと行動をともにすることになります。
さらに分析官として浅見弘子(長澤まさみ)が加わり、2人は未知の存在や禍威獣への対応に追われることに。
ところが、やがて人類の前に現れるのは禍威獣だけではありません。
人類に友好的な態度を見せながら、別の目的を持って近づいてくる外星人たち。
ここから物語は、単純な怪獣退治とは少し違う方向へ進んでいきます。
企画・脚本は『シン・ゴジラ』や『新世紀エヴァンゲリオン』などで知られる庵野秀明。
監督は『シン・ゴジラ』でも庵野秀明と組んだ樋口真嗣です。
初代ウルトラマンを思わせるデザインや設定を取り入れながら、現代の日本を舞台にした作品として作られています。
『シン・ウルトラマン』は怪獣より「話し合い」が面白い
この映画を観ていて面白いのが、怪獣との戦いだけで物語を進めないところです。
禍威獣が出てくれば、もちろんウルトラマンが戦います。
でも、外星人が相手になると話が変わる。
相手は突然殴りかかってくるわけではありません。
こちらにとって魅力的に見える提案をしてきたり、丁寧な言葉で交渉を持ちかけてきたりします。
「これって本当に人類のためなのか?」
「相手は何を狙っているんだ?」
そんなことを考えながら観ることになるので、派手な戦闘とは違う緊張感があります。
しかも、相手が宇宙人だからといって、人間側が完全に無力というわけでもありません。
情報を集めて、相手の目的を探り、どうすれば状況をひっくり返せるのかを考える。
国と国が交渉をしている、まるで外交を見ているような、そんな感じがします。(←見たことないけど。)
『シン・ウルトラマン』は意外と「会話を楽しむ映画」でもあります。
メフィラス星人が出てくると、映画の空気が変わる
その中でも強烈な印象を残すのが、山本耕史演じるメフィラス星人です。
メフィラスは、いきなり敵として襲ってくるタイプではありません。
スーツ姿で現れ、丁寧な言葉遣いで人間と話をする。
名刺を差し出して、こちらの事情も理解しているような顔をしながら話を進めていきます。
これがまさにサラリーマンみたいで妙にリアルなんですよね。
「そんなに親切にしてくれるなんて、何か裏があるんじゃないか?」
観ている側も、自然とそう考えるようになります。
しかもメフィラスは、人間が欲しがるものをよく分かっている。
相手の欲望につけ込んで、こちらから条件を飲ませる。
そのやり方が、単純な悪役とは少し違います。
個人的には、ここが『シン・ウルトラマン』のかなり好きなところです。
巨大な宇宙人なのに、やっていることは妙に人間くさい。
そして、笑顔で話しているのに、ずっと何か怖い。
ザラブ星人も怖い|外星人はそれぞれ違ったやり方で人類を揺さぶる
メフィラスだけでなく、ザラブ星人も印象に残る存在です。
ザラブ星人は、人類とウルトラマンの関係を利用しながら、別の目的を果たそうとします。
こちらも単純に「力で倒せば終わり」という相手ではありません。
相手の信用を崩したり、情報を利用したりと、ウルトラマンとは違う方法で人類を追い込んできます。
メフィラスが「交渉」で近づいてくるのに対して、ザラブは「信用」を揺さぶってくる。
外星人ごとに人類へのアプローチが違うので、単純な怪獣退治とは違った面白さがあります。
斎藤工と長澤まさみのバディもいい
もうひとつ、この映画を観やすくしているのが神永と浅見のコンビです。
斎藤工演じる神永は、かなり無口で淡々としています。
ウルトラマンと一体化していることもあって、どこか人間離れした雰囲気がある。
一方の浅見は、長澤まさみが演じる現場寄りのキャラクター。
神永とはかなりタイプが違うので、2人が並ぶと自然に会話にメリハリが出ます。
特に神永が淡々としているぶん、浅見の反応がこちらの感覚に近い。
「いや、それどういうこと?」と思うような場面で浅見が反応してくれるので、ウルトラマンの世界に入りやすくなっています。
派手なバディアクションというわけではありませんが、2人の距離感もこの映画の見どころです。
ここからは映画の重要な展開に触れます。
まだ観ていない人は、ここで一度本編を観るのがおすすめです。
ネタバレを表示する
【ネタバレ】メフィラスとの交渉が、この映画の面白さをよく表している
個人的に印象に残るのが、神永とメフィラスが酒を飲みながら話をする場面です。
メフィラスは人類に「ベーターシステム」を提供しようと持ちかけます。
これによって人類は、ウルトラマンと同じように巨大化できるようになる。
人類にとっては、とてつもなく魅力的な話です。
ただし、当然ながらメフィラスには別の目的があります。
人類が自分たちの欲望からベーターシステムを受け入れてしまうところまで含めて、メフィラスの計画だったわけです。
ここが面白いんですよね。
「宇宙人が悪いことを考えている」という単純な話ではなく、
人間側にも「それを手に入れたい」という欲がある。
だからこそ、メフィラスの提案が成立しそうになってしまう。
名刺を差し出して丁寧に話しているだけなのに、実は地球の命運がかかった交渉になっている。
この妙な緊張感が、『シン・ウルトラマン』ならではの面白さだと思います。
最後はウルトラマンと人類が協力して立ち向かう
終盤では、さらに大きな脅威としてゼットンが登場します。
ここではウルトラマン一人の力だけではどうにもならない状況になります。
そこで人類側も知恵を絞り、ウルトラマンと協力して突破口を探します。
最後にウルトラマンが選ぶ道も含めて、この映画は「人類を守るヒーロー」というだけではなく、
人間という存在を知ろうとしたウルトラマンの物語として見ると、また違った印象があります。
『シン・ウルトラマン』は昔のウルトラマンを知らなくても楽しめる?
結論から言えば、昔のウルトラマンを知らなくても楽しめます。
初代ウルトラマンを知っている人なら、「ここは元ネタがこれか」と気づける場面があります。
でも、それを知らないと話についていけない映画ではありません。
むしろ、
「現代の日本に、突然巨大な宇宙人が現れたらどうなるのか」
というSF映画として観ても十分楽しめます。
政府や専門チームがどう対応するのか、外星人とどう交渉するのか。
こうした部分がしっかり描かれているので、特撮に詳しくない人でも入りやすい作品です。
『シン・ウルトラマン』はこんな人におすすめ
- 『シン・ゴジラ』のような会議や組織のやり取りが好きな人
- 怪獣映画だけど、会話や交渉も楽しみたい人
- メフィラス星人のようなクセのある敵キャラクターが好きな人
- 昔のウルトラマンを知らないけれど、SF映画として楽しみたい人
- 週末に、少し頭を使いながら楽しめる映画を観たい人
逆に、怪獣同士がひたすら戦う映画を期待すると、少し印象が違うかもしれません。
戦闘シーンはもちろんありますが、そこだけで引っ張る作品ではありません。
人間と外星人が何を考えているのか。
相手の言葉をどこまで信じていいのか。
そんなことを考えながら観るのが面白い映画です。
『シン・ウルトラマン』の配信と上映時間
『シン・ウルトラマン』の配信状況は、時期によって変わる可能性があります。
Amazonプライムビデオで観られるかどうかは、下のリンクから最新の配信状況を確認してください。
本編の上映時間は約113分。
2時間弱なので、仕事が終わった金曜の夜に観るのにも無理のない長さです。
※上映時間:約113分
まとめ|『シン・ウルトラマン』は怪獣よりも「話し合い」が面白い映画
『シン・ウルトラマン』は、ウルトラマンと怪獣が戦うだけの映画ではありません。
ザラブ星人やメフィラス星人のような外星人が登場すると、物語は一気に「相手の考えていることを読む映画」になっていきます。
特にメフィラスとの交渉は、巨大ヒーロー映画なのに妙に現実的。
相手が丁寧に話しているからといって、味方とは限らない。
こちらに都合のいい話ほど、少し疑ってみたほうがいい。
……なんだか会社でもありそうな話ですよね。
個人的には、こういうところが『シン・ウルトラマン』の面白さだと思います。
派手な戦闘を楽しみながら、外星人との交渉や人間側の判断にもハラハラできる。
「今日は普通のアクション映画じゃなくて、ちょっと変わったSFを観たい」
そんな夜に、ちょうどいい一本です。
ちなみに、残業はスペシウム光線では消せません。
そこはウルトラマンに頼らず、定時で帰りましょう。


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